症例1は59歳,男性.右肺癌に対し手術を施行され,術後4年目に腸重積による急性腹症をきたし,小腸腫瘍摘出術施行.病理学的には肺癌の小腸転移であった.術後4カ月目までは経過良好であったが,リンパ節転移等をきたし,術後7カ月で永眠された.症例2は45歳,男性.右肺癌に対し手術施行され,術後1年目に腹痛が出現.精査にて小腸腫瘍が疑われ,小腸摘出術施行.病理学的に肺癌の小腸転移であった.肺癌の小腸転移はまれで予後不良であるが,手術によりQOL改善が望める例も少なくなく,特に肺多形癌の腹部症状出現時には小腸転移も念頭に置いた精査および治療法選択を行うことが重要であると考えられた.
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