Abstract

0°K気体パラフィン炭化水素の分子エネルギーの異性化変分を構造化学的に解釈するにあたって,異性化にともなう分子申の構造変化部分とその他の構造部分との間の相互作用が長鎖分子において一定となる規則性(長鎖基準の原則)を見いだし,各種の分岐異牲体のこの原則からの偏差を検討してパラフィン分子構造部分間に分子を不安定化させる方向の相互作用(不安定化エネルギー)が存在することを結論し,これらの関係にもとついて5個(実際上4個)の構造パラメーターを用いる分子エネルギーの構造補正経験則を導ぴいた。すなわち,長鎖n-パラフィン分子の申央にメチル分岐およびgeminal-ジメチル分岐を異性化導入する際の分子エネルギー変化がそれぞれy=0およびx=-1.10kca1/molの定常値となることを見いだし,これを基準として,各異性体の分岐構造に対応してこのパラメーターの和を求め,そののちその異性体の分岐構造間の近接効果による不安定化エネルギーの増大および主鎖が長鎖より短縮するための不安定化エネルギーの減少などの構造エネルギー変化をつぎの三つの不安定化パラメータ.一:b=0.82(anti-1,4位炭素間),c=0.27(anti-1,5位炭素間)およびb'=1.52(syn-1,4位炭素間)kcal/molを用いて計算して上記の和に加えることによって次式のように異性化エネルギーを計算する。ΔHiΣy+Σx+Σb+Σc+Σb' kcal/molこの式により,主鎖の炭素数4以上オクタンまでの全分岐異性体の異性化エネルギーを平均誤差±0.28kcal/molの精度をもって計算することができる。

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