Abstract
養豚汚水処理においては,水質汚濁防止法の規制項目である「アンモニア,アンモニウム化合物,亜硝酸化合物及び硝酸化合物」の安定した遵守が重要課題となっている。一方,汚水処理施設の仕様は農場ごとに大きく異なるうえに,季節による性能変動も大きい。このため,各処理施設の稼働特性の把握とそれに基づく管理指針の策定が重要である。そこで,センサで容易にデータ収集可能な運転管理項目(汚水pH,汚水EC,曝気槽水温,曝気槽pHおよび曝気槽の活性汚泥浮遊物質)により硝酸性窒素等の除去性能を予測し管理の参考にすることを目的とし,機械学習による予測モデルの作成を試みた。事例の多い飼養管理形態の二農場(T,S)での3年間にわたる実測データを使用し,各農場の処理水中硝酸性窒素等濃度の決定木モデルを作成した。得られた決定木モデルでは,T農場は曝気槽水温,曝気槽pHおよび活性汚泥浮遊物質濃度が,またS農場は曝気槽pHが硝酸性窒素等の変動に関連の強い因子として抽出された。これらのモデルによる予測値と実測値の間には学習データ,テストデータのどちらの場合も相関が見られたことから,作成した決定木モデルは施設特性の把握に有効であることが示唆された。機械学習で個々の処理施設の特性を把握し,それに基づいた施設管理を実施することが硝酸性窒素等の濃度制御に重要と考えられる。
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