Abstract
八面体六配位構造をしたフェニルピルビン酸オキシマト-ビス-(プロピレンジアミン)-コバルト(III)炭酸塩 の均一系水素化反応なおける種々の無機試剤の効果を調べた。錯化合物,1molを各無機試剤6molの作用下,水素圧100kg/cm2,反応温度100℃の条件下で水素化させ,還元されたフェニルアラニンを得た。その結果つぎのことがわかった。(1)塩化カリウムと炭酸水素カリウムではフェニルアラニンの収率がコン跡と5%であった。(2)チオシアン酸カリウムではフェニルアラニンの収量がコン跡であった。さらに,錯体を構成しているコバルトイオンの大部分が金属まで還元された。(3)硝酸カリウムとシアン酸カリウムの場合,前者は45%,後者は28%の収率でフェニルアラニンが得られた。しかし,両反応とも反応溶液に灰色沈殿と一部の金属コバルトの析出が認められた。析出した金属コバルトは不飽和化合物を還元する触媒力がない。また,前者の反応では硝酸イオン自身がアンモニアに還元される欠点がある。(4)シアン化カリウムの作用下では反応が均一系で行なわれ,フェニルアラニンの収率は55%であった。以上の結果,ビス-(ピルビン酸オキシマト)-コバルト(III)二水和物の水素化反応における無機試剤効果の結果と同様に,シアン化カリウムの作用下で行なった反応が均一系水素化反応を行なうのに最適であることがわかった。
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