維持透析患者におけるｒｅｃｏｍｂｉｎａｎｔ ｈｕｍａｎ ｅｒｙｔｈｒｏｐｏｉｅｔｉｎ投与と血しょう分枝鎖アミノ酸濃度の変動

Abstract

維持透析患者15例 (平均年齢45.8±9.5歳, 平均透析期間38.1±50.5か月) においてrHuEPO投与前後 (平均投与期間8.4±4.4か月) の血漿分枝鎖アミノ酸 (BCAA), 芳香族アミノ酸 (AAA), Fischer比の変動につき検討した. BCAAは平均363.6±70.3nmol/mlから317.3±72.0nmol/ml, valineは平均193.3±36.5nmol/mlから168.4±34.0nmol/ml, leucineは平均109.1±24.5nmol/mlから93.8±26.1nmol/ml, isoleucineは平均61.3±13.7nmol/mlから55.1±15.8nmol/mlといずれのBCAAとも有意な低下を示した. AAAは平均109.2±27.6nmol/mlから102.2±20.2nmol/mlと有意な変動を示さなかった. Fischer比は平均3.45±0.75から3.18±0.83と低下傾向が認められFischer比低下例ではBCAAの低下がより著明であった. 以上より, 維持透析患者におけるrHuEPO投与時, BCAAの補充の必要性が示唆された.