Abstract
極低温機器の材料へのニーズは必ずしも画一的なものではないため,思いもよらない特性のため生み出された材料が出てくることが予想される.そのため極低温下の材料特性を広範に収集し有効な情報を取り出せるようにしておくことも必要である.今まで述べてきた材料は現在の技術水準からみると,特注されたものであるため性能については過剰品質になっているきらいがあり,コストが非常に高い.限定された試験装置である限り問題はないが,実用規模になるとコストの問題は無視できない.たとえば超電導技術を利用する大型機器はほとんどエネルギー機器である.このような場合,とじこめるエネルギー総量Esと必要とされる構造材料の総量Mとの間にはvirial theoremという次のような関係が存在している.M≈ρ/σ・Es(3)ここで,ρは材料の比重,σは降伏応力である.いまステンレススチールを考えると1000MWhのエネルギーをとじこめるには約2×105tの材料を必要とする.従って建設費に占める構造材料のコストは莫大なものとなる.このため極低温技術を商業ベースにのせるためには構造材料の問題の解決は切実である.従って安価な高品質材料への要求もこれから強くなるものと見込まれている.現在,液体ヘリウムを使う極低温機器の多くは閉システムになっていることから,高圧ガス設備としての規制を受け,使用できる材料に制限がある.優れた新材料が開発された際には,十分な評価を行い早急に利用できるようにすることがこの分野の技術開発の発展に役立つものといえよう.
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