Abstract
透析患者に対するリコンビナントヒトエリスロポエチン (r-HuEPO) の効果および至適投与量, 投与方法に関しては数多くの報告が見られるが, CAPDに関してはその報告は少ない. 我々はCAPD患者に対してr-HuEPOを静脈内および腹腔内に投与し, その貧血改善効果, 投与量, 副作用につき比較検討した.はじめに基礎的検討として1. CAPDバッグ内のr-HuEPO濃度の経時的変化, 2. r-HuEPO腹腔内投与時の体内動態の検討を行った. その結果CAPDバッグ内でr-HuEPOは比較的安定していた. またr-HuEPO 12,000 Uを単回腹腔内に投与したとき12時間後に血中濃度は最高 (50-60mU/ml) となった.次にCAPD患者19名を対象として9名に対してr-HuEPOを6,000 Uより週1回静脈内投与した. 6週間毎に効果判定を行い, 増量基準にしたがって最高18,000 Uまで増量し18週間後に最終判定を行った. CAPD患者10名に対してはr-HuEPOを12,000 U, 週3回腹腔内投与した. 6週間毎に効果判定を行い, 増量基準にしたがって最高24,000 Uまで増量し18週後に最終判定を行った.その結果, 静脈内投与群においては評価可能症例7例中, ΔHt 5%以上の著効例は6例 (85.7%) であった. また腹腔内投与群では著効例は9例 (90%), 有効例 (5%> ΔHt≧3%) は1例 (10%) であった.CAPD患者に対してr-HuEPOは静脈内および腹腔内投与で良好な貧血改善効果が得られた. 腹腔内投与法は静脈内投与に比べ多量のr-HuEPOを必要とするが, 患者に与える苦痛も少なく将来考えてゆきたい方法である.
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