目的:Stage IIIa結腸・直腸S状部癌の根治切除例における再発危険因子を明らかにする.方法:当科で1990年~2007年の間にR0切除を行ったStage IIIa結腸・直腸S状部癌236例について,非再発群と再発群とに分けて検討した.成績:再発率は22.0%(52/236例).単変量解析では術前CEA値,腫瘍最大径,壁深達度において無再発生存期間に有意差を認めた.多変量解析の結果では静脈侵襲あり,リンパ管侵襲あり,SE以深が独立した再発危険因子として抽出された(HR1.830,2.316,2.156,95%CI 1.009-3.320,1.206-4.449,1.204-3.863,p=0.0467,0.0117,0.0098).結論:Stage IIIa結腸・直腸S状部癌において脈管侵襲あり,SE以深の症例は再発リスクが高いと考えられ,積極的な術後補助化学療法を考慮すべきと考えられる.
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