水溶液中に,1,10-フェナントロリン-亜鉛キレートとブロムクレゾールグリーンが共存するとき,1,2-ジクロルエタンと振り混ぜると無色のキレート陽イオンとブロムクレゾールグリーンの陰イオンがイオン対となって有機層へ抽出される.このような現象に基づく微量亜鉛の吸光光度定量法を検討した.その結果,pH7において抽出し,試薬ブランクを対照として416mμで吸光度を測定すれば.水溶液中の亜鉛濃度が1×10-5Mまではベール則に従い,感度よく亜鉛を定量できることがわかった.抽出種の組成についても検討し,フェナントロリン-亜鉛キレートとブロムクレゾールグリーンが1:2のモル比で抽出されていることを明らかにした.なお,重金属イオンの共存は定量を妨害する.
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