試料に硫酸を加えて加熱分解し,発生した二硫化炭素を水酸化カリウムのエタノール溶液に吸収させてふたたびカリウムエチルザンセートとし,pHを調節後これに硫酸ニッケルを加え,生じたニッケルザンセートを四塩化炭素に抽出し吸光度測定を行なう方法により,パインオイル,パイフロートその他の浮選剤および銅の錯イオンなどと共存する,浮選液中の微量のナトリウムエチルザンセートの定量を行なった.この方法によればパインオイル0.01ml,パイフロート1mg,水酸化カルシウム50mg,シアン化ナトリウム10mg,銅イオン1mgと共存する0.0001~0.01g/lのザンセートを60分間以内に定量できる.試料中に銅イオンなどを含まない場合には直接抽出を行なって多数の試料を30分間以内に処理することができる.本法は簡便迅速で結果の再現性もよい.