アセトン-水混合溶媒における臭素酸銀の溶解度を20゜,25゜および30℃において測定した。溶媒のアセトン濃度は0~80.470%の11種で,それらの誘電率は80.37~28.49の範囲である。つづいて,難溶性塩の溶解度と溶媒の誘電率との関係を示す既報の理論式を用いて,測定結果を考察した。もし一定温度で溶媒和半径も一定と仮定すると,アセトン濃度30%以下において,溶解度の対数は誘電率の逆数に近似的に比例するが,30%以上では著しい偏差を示してくる。また,この理論式を用いて算出した溶媒和半径は,溶解度の対数が誘電率の逆数に比例するとみなされる範囲においてほぼ1Aであった。
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