神経ブロック注射は効果的な除痛目的に使用されている.また腰椎麻酔もさまざまな手術に用いられている.しかし一方で穿刺するという行為によって, 感染, 神経損傷, 神経脱落症状を引き起こす血腫形成等の合併症も引き起こされる.今回, 神経ブロック注射および腰椎麻酔における穿刺操作により血腫形成を生じた3症例を報告した.1例目は硬膜外ブロック後に生じた硬膜外血腫の症例である.2例目は星状神経筋ブロック後に生じた咽頭後壁の血腫の症例である.3例目は腰推麻酔後急激に両下肢の麻痺が起こったクモ膜下血腫の症例である.1例目, 2例目については経過観察としたが, 3例目については血腫除去術を行った.それぞれの症例の診断, 治療に放射線学的所見は重要である.特にMRIは有用であり, 症状と比較し, 治療に生かさなければならない.