Pc2LnH型錯体(Pc:フタロシアニン陰イオン, Ln:ランタン(III),セリウム(III),ネオジム(III),ユーロビウム(III),エルビウム(III),イッテリビウム(III)),およびPcLnX型錯体(X:1価の陰イオン)を合成し,その性質を検討した。 紫外,可視域の吸収帯はランタニド(III)元素の原子番号の増加にしたがって短波長側へ移行し,また側少量の酸を添加した溶媒中ではPc2LnH型がPcLnX型に変化することが認められた。赤外吸収スペクトルより, 880~890cm-1の吸収帯(中心金属-窒素横ゆれ振動)がランタニド(III)元素の原子番号の増加にしたがって高波数側へ移行することが認められた。また,Pc2LnH型錯体の可能な構造としてフェロセンようのサンドイッチ形構造を推定した。