昭和54年9月より昭和59年9月までに95例の食道静脈瘤に対し内視鏡的硬化療法を施行し有効な結果が得られた.特に直達手術後再発・遺残食道静脈瘤症例においては全例に食道静脈瘤の消失が認められた.高度肝機能障害,末期肝癌などの手術不能症例においては43例中,29例(67%)に食道静脈瘤の消失が認められた.また,内視鏡的硬化療法による食道静脈瘤の機序解明のため,剖検例(6例),雑種成犬,ウサギを用い,硬化剤注入後の組織の変化を経時的に観察した.その結果,硬化剤注入後より急性炎症が認められ,2週以降より組織内の線維化が増生され,その後,線維化による圧迫により静脈が閉塞され静脈瘤が消失すると考えられる.
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