アセチレンジカルボン酸ジエチル(I)にο-アミノフェノール(II)およびエタノールアミン(III)を作用させて,それぞれ2-オキソ-3-エトキシカルボニルメチレン-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン(IV)および2-オキソ_3-エトキシカルボニルメチレン-3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-1,4-オキサジン(V)を得た。このIVおよびVを塩酸で加水分解すると,オキサジン環の開裂が起り,原料IIおよびIIIの塩酸塩(II´,III´)をそれぞれ生成し,エトキシカルボニル基をもった部分も加水後分解されて炭酸ガスとピルピン酸(VII)が得られた。IVおよびVが非常に好収率で得られることから,IIおよびIIIのアミノ基はまず選択的にIの三重結合に付加すること,つづいてそれらのヒドロキシル基がIのエトキシカルボニル基と脱アルコール縮合することが知られた。またこれらの生成物はそれぞれIVおよびVの構造式で示されることが赤外線吸収スペグトルの測定により決定された。
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