塩素含有量および置換位置の異なる塩素化銅ブタロシアニンの諸性質を調べるため, 塩素化無水フタル酸を原料とし, 尿素法 (Wyler法) により, 65種類の塩素化銅フタロシアニンを合成した。その際, 尿素の量, 縮合剤の種類および量, 銅化合物の種類についてあらかじめ検討し, 塩素数に応じて最適と思われる条件で反応を行なうことにより, 全般にわたり大差ない収率で目的物を得ることができた。このうちテトラクロル無水フタル酸から合成した塩素化銅フタロシァニンについて, その赤外吸収スペクトルおよび硫酸セリウムによる分解生成物を検討し, 合成時に脱塩素反応を起さないことを確かめた。また反応性の著しく異なる原料を混合して合成した銅フタロシアニンは, 原料混合比と異なる組成をもつことを見出した。
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