Abstract

要旨 症例は49歳の男性。2週間前から感冒症状が出現し近医で肺炎と診断され抗菌薬加療していた。呼吸苦が増悪したため救急要請され,著明な低酸素血症を認め当院に搬送された。重症急性呼吸窮迫症候群(acute respiratory distress syndrome: ARDS)を認め人工呼吸器管理を行ったが低酸素血症の改善を認めず,第1病日よりveno–venous extracorporeal membrane oxygenation(VV–ECMO)を導入した。第9病日にECMO回路交換時に心停止を来し胸骨圧迫が行われ,その合併症として大量血気胸を生じた。開胸止血術や肺部分切除を行い止血したが,気胸再発を認め保存的加療では改善を得られなかった。第26病日より気管支充填剤EWS(endobronchial Watanabe spigot)を用いた気管支充填と胸膜癒着術を行い,1週間患側肺を完全に虚脱させ呼吸をECMOに依存させることで気胸治療に専念した。その後気胸は再燃なく経過し,徐々に呼吸状態も改善し,第53病日にECMOを離脱し,第67病日にリハビリテーション目的に転院となった。VV–ECMO施行中に気胸を合併した際に,ECMOに呼吸を依存させ気胸治療に専念することは有用である。

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