Abstract

水稲の主茎と各分げつについて, 葉齢と幼穂発育過程との関係を調べた。水稲品種ササニシキを2期に分けて播種し (I, II区), 1ポット (1/5000 a) 当り3個体で育て供試した。個体内全茎の齢を同一視点から解析するために, 齢のスケールとして, 止葉抽出完了時を起点としてさかのぼって数えた葉齢 (補葉齢: cA) を用いた。また幼穂発育ステージ (PS) は, 止葉原基分化期から穎花原基分化後期までを12段階に分級する方式を用いた。主茎および分げつ位ごとの平均値でみると, PSとcAとは直線的な関係にあった。この関係は個々の茎においても認められた。また, 個体内でのPSとcAとの変動は, 幼穂分化開始から日数がたつほど大きくなった。PS 3以上の茎について, PS (y軸) とcA (x軸) との関係式を求めると, y=15.95-3.74xとなった。形態上幼穂分化開始と判断できるPS 3 (苞原基増加期) となる時の補葉齢を, この式から求めるとcA 3.5であった。また, 個々の茎の観察から, PS 2 (第1苞原基分化期) からPS 3に移行するのはcA 3.6からcA 3.3までであることが明かとなった。すなわち, 15枚の葉を持つ主茎から, 4または5枚の葉を持つ分げつまでを対象にしても, 幼穂分化開始 (PS 3) の時期は止葉から数えて4枚目の葉がほぼ半分ほど抽出した頃であった。また, 主茎に着目して, 幼穂発育ステージを推量できる外見上の齢として, 葉齢指数と補葉齢との関係を考察した。

Full Text
Published version (Free)

Talk to us

Join us for a 30 min session where you can share your feedback and ask us any queries you have

Schedule a call