Abstract

牛乳由来のホエイタンパク質は消化吸収が早く,分岐鎖アミノ酸などの必須アミノ酸を豊富に含むことから栄養学的に優れたタンパク質源である.近年,われわれはホエイタンパク質およびその加水分解ペプチドが抗炎症効果を有することを見い出した.そこでこのホエイタンパク質の栄養学的優位性と生体調節作用に着目し,ホエイペプチド配合流動食MHN‐02を開発し,その有用性をさまざまな病態モデルにより評価してきた.その中で,MHN‐02はインドメタシン誘発ラット小腸障害モデルにおいて,腸間膜リンパ節および肝臓へのバクテリアルトランスロケーションを抑制することを明らかにし,その効果はMHN‐02の小腸粘膜の保護作用が関連することを組織学的解析から示した.さらにこのような腸管保護作用を有するMHN‐02は抗がん剤5‐フルオロウラシルの副作用である下痢の発生を遅延させ,体重を維持することも明らかにした.以上のことからホエイペプチドを配合したMHN‐02は優れた栄養組成と腸管機能の維持を通して,各種病態において治療に伴う副作用を軽減し,栄養状態を維持することによって,治療効果の向上に貢献することが期待できる.

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