Abstract
アズキの品質改良に関する基礎資料を得るために, 品質関連形質の変異とその成因を解析する研究の一環として, 北海道各地の生産者から収集した材料 (品種エリモショウズ, 1987年240点および1988年203点) について, 平均粒大および粒大変異 (1点300粒におけるI粒重の平均値および変異係数) を調査し, 年次間, 地域間, 生産者間の差異を検討した。平均粒大には明瞭な地域間差異が認められ, 生殖生長期間の長い十勝 (平均64日) で最も大きく, 石狩, 空知 (同49, 45日) では十勝産の約75%にとどまった。また, 同一地域内においても生産者によっては約2倍に達する平均粒大の差異がみられた。平均粒大と窒素施肥量との間には, 弱いながら正の相関関係 (r=0.300**) が得られた。粒大変異は生産者間で14%から37%まで分布し, 20~25%を示すものが最も多く, 年次間および地域間差異は小さかった。平均粒大が小さいと粒大変異が大きくなる傾向が, 全域を通して, また地域内でもみられた。アズキの品質関連形質のひとつである粒大の変異に関する実態は, 普通畑と転換畑の違いを含め, 地域により適応した品種の導入・育或が望まれることと, 栽培技術の再点検と改善が必要なことを示している。
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