Styrene Derivatives. III-V V. The Reaction of Acetophenone with Formaldehyde in an Acidic Medium

Abstract

アセトフェノンとホルムアルデヒドとを酸触媒の存在下に反応させ, 生成物として C11H1203(IVb), 少量のビニルフェニルケトン, C20H18O3 その他を得た IVb は IR, UV その他からベンゾイル基, メチレンジオキシ基を有することがわかるが, 濃塩酸で処理すると 2-ベシゾイル-3-ジクロルプロパン (II)を生じる。IVb を接触水素還元後, メタノール中で酸加水分解すると 2-(α-オキシペンジル)-3-プロパンジオール(XI),および 2-(α-メトキシベンジル)-3-プロパンジオールを与える。以上の事実から IVb は 5-ベンゾイル-1,3-ジオキサンであるとし, II から誘導して証明した。またビニルフェニルケトンのプリンス反応によっても IVb を得た。よって酸触媒によるアセトフェノンとホルムアルデヒドとの反応は, アルドール反応およびホルマール化反応からなる複雑な反応であり, 一方中間体 β-オキシプロピオフェノンの脱水によって生じたビニルフェニルケトンのプリンス反応による IVb の生成反応も併発していると結論した。