Abstract
3H-BBPをラットおよびウサギに0.25mg/kgで経皮(非密封法),あるいは1mg/kgで皮下投与し,その吸収,分布,排泄について検討し,以下の結果を得た.1.軟膏またはクリームを正常皮膚動物に経皮投与した際,全身系への経皮吸収率は雄性ラットでは約3~5%,雌性ラットでは約14%,また雄性ウサギでは約14%であった.損傷皮膚雄性ラットでは約30~50%であった.2.正常皮膚動物における血液または血漿中放射能濃度の最高到達時間および最高値は雄性ラット:24時間,0.6~0.8ng/ml,雌性ラット:8時間,4.7ng/ml雄性ウサギ:13時間,3.0ng/mlであった.また,損傷皮膚雄性ラットでは5時間,8.6~15.7ng/mlであった.3.主排泄経路はラットでは糞であったが,ウサギの尿糞中排泄率の割合はほぼ同じであった.4.正常皮膚雄性ラットにおける組織内放射能濃度は,投与後8時間あるいは24時間に最高濃度を示し,肝臓,腎臓副腎,貯精嚢および膀胱に高い濃度が認められた.各組織からの消失は緩慢であり,特に血液かbの消失が遅延した.塗布部皮膚のミクロオートラジオグラムより,BBPの経皮吸収経路として付属器官を経由するルートと経表皮ルートが確認された.5.正常皮膚雄性ラットに7回反復投与した際,毎回投与後24時間における血液および組織中放射能濃度は,投与回数に伴い上昇する傾向を示した.7回投与後の血液および組織中からの放射能の消失は緩慢であったが,7回投与後の尿および糞中排泄率は単回投与群と相違が認められなかった.6.妊娠ラットに3H-BBPを皮下投与した際の全身オートラジオグラムより,胎盤通過性が確認されたものの,放射能が胎仔組織に残留する傾向は認められなかった.
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