Abstract
酸性触媒としてよく知られているシリカーアルミナ触媒とアルミナ触媒との比較をエチレン重合反応, アルコールの脱水反応およびブタンの接触分解反応等各種の反応を通じて検討し, その接触能の相違を明らかにした。その結果シリカーアルミナ触媒の固体酸は水によってほとんど被毒しないが, アルミナ触媒の強い固体酸は容易に水によって被毒することがわかった。その代表的な例がブタノールの脱水反応で, シリカーアルミナ触媒の場合は固体酸が水の存在に影響されないので分解, 重合, 異性化等の副反応をともなうが, アルミナ触媒の場合は強い固体酸は水によって被毒するために,これらの副反応をほとんどともなわないことがわかった。また飽和炭化水素の分解反応に対してはアルミナ触媒は不活性であるが,シリカーアルミナ触媒は強い活性を示す。この相違については原, 池辺らは吸着中心と酸性中心の二元説によって説明したが, さらに両者の酸生成の歴史的過程が異なることから, 酸の構造と性質の差異をも考慮する必要があると思われる。
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