Abstract

プロリンおよびオキシプロリンの紫外線照射生成物および次亜塩素酸ナトリウム酸化生成物の近紫外部吸収スペクトルの挙動を調べ, かつその結果よりこれらの生成物について考察した。紫外線照射によりプロリンでは317mμ付近に, オキシプロリンでは256mμおよび307mμ付近に極大をもつ吸収帯が現われ, いずれも照射後時間の経過とともに増大する。短時間の照射では256mμの吸収帯のみ現われる。256mμの吸収帯を示す物質は吸収スペクトルの挙動が一致することより2-ピロールカルボン酸と推定した。またこの物質の生成には明反応と暗反応の二段階があり, 脱水反応と脱水素反応がこれを構成することを推論した。プロリンおよびオキシプロリンに次亜塩素酸ナトリウムを加え, 放置して24時間後には両者共250mμより短波長部分に酸性側でblue-shiftする吸収帯が現われ, 5日後にはプロリンではpH5.1以下で262mμに極大をもつ吸収帯が現われ, オキシプロリンではピロールに相当すると考えられる吸収帯および2-ピロールカルボン酸の吸収帯が現われたが, これらの吸収帯を示す物質およびその生成径路について考察した。

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