Abstract

種々のポリエチレン,ポリスチレソおよびポリプロピレンの分別物,未分別物および混合物の溶融状態における定常流特性および動的特性を広いせん断速度および周波数範囲にわたって測定し,レオロジー的性質におよぼす温度,分子量,分子量分布および混合の影響,定常流特性と動的特性との関係について研究した。多くの新しい結果および結論が得られたが,その主要なものをまとめるとつぎのとおりである。1)種々の温度において測定される高分子溶融物のレオロジー的性質のタイムスケール(定常流測定におけるせん断速度Dまたは動的測定における角周波数ω)依存性の曲線に対しては,時間一温度の重ね合わせが可能である。定常流粘度,動的粘性率プおよび剛性率0から得られる移動係数はすべて等しい。2)定常流における見かけの粘性率ηと動的粘性率ηを関係づけるいままでの理論および経験則の中では,Cox-Merzの経験則がもっともよく実験結果と合い,η,と複素粘性率の絶対値|η|とは,Dとωとを等価と考えるときよく一致する。このことから,ηaは純粋な粘性だけを表わさず,弾性項をも含んでいることが結論できる。Dが高いときこの弾性項は非庸に大きくな1る。3)低いωにおけるηは,分子量に大きく依存するが,ωが高くなるにつれて分子量の影響は少なくなり,分子量が臨界値Md(またはMe)より高いかぎり,ついには分子量とまったく無関係となる。これは,測定されたレオロジー的性質が流動領域,ゴム状領域および転移領域にまでまたがっているからである。このような事実および2)の結論を合わせ考えると,高分子溶融物および溶液の非ニュートン性または構造粘性は,分子間のからみ合いによる連続構造の破壊または高分子の崩壊のために起る現象ではなく,分子運動の型式がタイムスケールによって変化するために起るものと結論せざるを得ない。14)分子量がMcより低く,からみ合いによる構造がつくられないと考えられる低分子量物でも,高いωにおいて非ニュートン性を示す。すなわち,Mcは必ずしも非ニュートン性が始まる最低分子量を表わすものではない。非ニュートン性は,分子間のからみ合いだけでなく,分子内の因子によっても決定される。5)分子量の異なる2種の成分ふらなる混合物において,2成分の分子量差の小さいときには,余り高くない1)またはωの範囲内で,時聞一混合率(または重量牟均分子量)の重ね合わせが可能である。混合物の零せん断粘度η曲は,2成分の粘度および重量分率ωとつぎの簡単な式で関係づけられる。logηab=ω1logη01+ω2logη026)2成分の分子量差が大きいときには,単純な重ね合わせは不可能であるが,混合によるタイムスケールの変化と希釈効果を表わすと考えられる二つの移動係数aMおよびcMを考慮した重ね合わせが可能となる。分子量分布が異常でないかぎり,両移動係数の比は,任意の混合物および基準成分の定常流粘度の比に等しい。7)混合物の分子量分布が二様(bimodal)分布で・しかも高分子量成分の分子量が非常に高いときには,粘弾性の周波数依存性に異常性が現われる。この種の挙動は,緩和スペクトルが長時間側に異常に延びた2次的平坦部をもつことに対応している。ゴム状態に対応する網目構造よりゆるい構造が,分子間のからみ合いによって溶融物中につくられていると考えられる。

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