Abstract

1,500 cal BC以降の新期富士降下火砕物の再記載を行い,各堆積物の層厚分布から最小マグマ体積を見積もった.また,代表的露頭から採取した噴出物の全岩化学組成分析を行い,その特徴から降下火砕物の対比を行っている.その露頭は,東山麓を中心にした太郎坊(御殿場口),大日堂(東富士演習場),上高塚(東富士演習場),須走口五合目,幻の滝下,須走口馬返,すぎな沢(須走),大御神(新東名高速工事現場),滝沢(北富士演習場)である.1,500 cal BCから300 cal BCにはS-10 ~S-22降下火砕物が山頂・山腹から噴出したが,このうちS-10,大沢,大室山,S-13,S-18,S-22降下火砕物の規模が大きく,見積もられた最小体積は岩石換算体積で各々1×10-1 km3 前後である.300 cal BC頃は山腹割れ目噴火が卓越し,宝永噴火を除いて規模が小さく,鍵層として広範囲に分布する降下火砕物は堆積していない.そのため,山元ほか(2011)が東山腹のものに須走口馬返降下火砕物群と定義したように,北東山腹のものには吉田口降下火砕物群,南東山腹のものには御殿場口降下火砕物群として,地域毎に下位から順に数字を付け新称した.

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