Abstract

反対側に内頸動脈高度狭窄あるいは閉塞性病変を合併した症候性内頸動脈閉塞患者に対しSTA-MCA bypassを施行した連続4 症例について,周術期合併症や治療成績について検討した.4 例すべての周術期に何らかの神経学的悪化を生じていた.周術期脳梗塞を生じた3 例のうち2 例では前大脳動脈領域に生じており,「watershed shift」の病態が関与したと考えられた.また術後の過灌流症候群も2 例で生じていた.周術期合併症は高頻度であり,決して満足できる成績ではなかった.術前と術後3 カ月時点の予後評価では,改善が1 例,不変が1 例,悪化が2 例であった.追跡期間中に脳卒中再発は認めていない.反対側の内頸動脈高度狭窄あるいは閉塞性病変を合併した症候性内頸動脈閉塞に対するSTA-MCA bypass においては,周術期脳梗塞や術後過灌流に関する詳細な病態把握および管理に努めなければならない.

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