Abstract

症例は58歳の男性で,径約8 cmの巨大肝腫瘍の精査化療目的に入院となった.既往として1995年に13 mm大のsm直腸カルチノイドに対して他院で低位前方切除を受けていた.腹部CT・MRI・血管造影検査にて肝右葉に径8 cm大の門脈腫瘍栓を有する分葉状の腫瘍を認め,生検にて直腸カルチノイドの肝転移の診断となり2006年2月肝拡大右葉切除術を施行した.病理組織学的診断でも直腸カルチノイドの肝転移と診断された.20 mm未満sm直腸カルチノイドの肝転移の本邦報告例は,自験例を含め21例である.その中で12年もの長期経過後転移が見つかった症例は本症例のみであった.まれではあるが,直腸カルチノイドの経過観察の際には異時性肝転移の可能性を念頭におくべきと考えられた.

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