Abstract

目的 これまでに論じてきたのは, 対称で一様な被覆ロールの場合であった.しかし現実のロールでは, 布は両端に耳があり, 被覆層の弾性も中央部と端部とで違うことがある.また一般に布をはさめば, 布の幅は必ずロールの幅よりも狭い.このように被覆層および布の弾性がロール端部で変化しているのが普通である. これらの諸問題についても, 弾性の変化を不連続的なものと仮定すれば, 第1報の議論を拡張することにより, 理論解を求めることが可能となる.このような方法により, 各種の因子の荷重分布に与える影響を解析的に論じてみる. 成果 対称な被覆ロールでは, 適当な仮定のもとでつぎの結論が得られる. (1) 普通の条件のもとでは, 布の耳部での弾性の変化が不連続的という仮定を許せば, 幅の狭い耳の影響は小さい.しかし実際には, 弾性の変化はある範囲で連続的に起こるから, 場合によっては中央部へ影響が波及して, 荷重分布を悪くする危険はある. (2) 被覆層の弾性の変化の影響は, 布の耳部の影響よりも一般には大きい.このことは総合ばね定数を考えれば明らかである. (3) 布幅がロール幅より狭いことの影響は, 端部に空隙を生じる場合と生じない場合とを問わず, むしろ荷重分布によい影響を与える.しかしこの場合にも, 被覆層は布の端で不連続的には変形しないから, 端のあそんでいる部分の低い荷重分布が布の部分に悪い影響を与える危険はある.

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