Abstract
キクでは茎葉再分化能の品種間差およびアグロバクテリウムとの親和性の違いが著しく,これまでに海外を中心に報告されている形質転換の成功例は,ごく一部の品種およびアグロバクテリウムの系統を用いたものに限られている.そこで国内産キクを用いた実用的な形質転換系を確立するために茎葉再分化能の調査および市販のアグロバクテリウムLBA4404株を用いた形質転換実験を行った.主要な23品種・系統のキクについて茎切片培養を試みたところ不定芽形成率には著しい品種間差があることが認められたが,比較的高い不定芽形成率を示す11品種がスクリーニングされた.その中の3品種('秀芳の力','ニューサマーイエロー','山彦')について茎葉再分化に及ぼす各種抗生物質の影響を調査したところ適当な選抜圧濃度が明らかとなった(それぞれkm 7.5/10/10mg・liter-1).さらに上記3品種を用いてアグロバクテリウムLBA4404株を用いて形質転換実験を試みたところ,アグロバクテリウムの感染に際しacetosyringoneを100μMを添加することにより,NPTII遺伝子を発現する形質転換体が最高2.46%の効率で得られた.
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