Abstract

日本でのマンモグラフィ検診が実施され10年余であるが,乳がん死亡者数は増加の一途であり,その理由の一つは受診率の低迷であると考える。東京のように医療機関,検診機関が数多く存在し,公共交通機関網も整っている大都会でなぜ受診率が低迷しているのかについて,東京都を都心部,郊外,島嶼部と三つに区分し,がん検診に関する意識調査を実施し分析検討した。アンケート回答数は5,733名。ほぼ定期的に受けている(5年間で2回以上)と回答した方が73.3%と比較的多い結果であった。しかしながら,いまだに「忙しい」「面倒くさい」という理由で定期的に受診しない方も多く,さらなる健康教育・啓発活動の重要性を感じた。積極的に受診できるための条件では「希望日に受診」「職場・自宅近く」「他の検診と共に」があり,実現可能な条件も多く,検診を提供する側のさらなる努力も必要だと感じた。今回,ライフスタイルが異なる三つのエリアでのアンケート調査で相違点が出るのではないかと予想したが,受診者の希望や傾向に大きな違いはないことが判明した。その中で23区内,仕事をしている女性からは,「勤務中」に検診を受けたいという意見がみられた。このような傾向は東京都のような大都会型検診の特徴だと思われた。職業を持つ女性が地域検診を受けやすくするためのシステム作りや職域検診など任意型検診におけるがん検診精度管理も都会での大きな課題だと改めて思われた。

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