Abstract

赤外線吸収スペクトルの利用により, 現在焼付ケ用合成樹脂塗料として広く使用されているブチル化尿素樹脂およびブチル化メラミン樹脂の塗膜の形成機構と熱分解機構を明らかにすることができた。その結果, ブチル化尿素樹脂は120℃ですでに脱ブタノール反応を起し, 分子間にメチレン結合を形成して硬化するが, ブチル化メラミン樹脂は190℃付近ではじめて脱ブタノール反応を起す。脱ブタノール反応はブチルエーテル結合に隣接するメチレン結合の酸化に起因するものと考えられた。したがって, ブチル化メラミン樹脂が普通に行なわれている焼付ケ温度 (120°~150℃) で形成する硬化塗膜は, 大体脱ホルマリン反応によるメチレン結合の生成に基づくものと考えられた。

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