Abstract
大腸腫瘍性病変305例に対し1日法免疫便潜血検査(ラテックス凝集法)を施行し,その感度について検討した.肉眼型別に次の3群に分け便潜血陽性率をみると,表面型腫瘍は11.6%,隆起型腫瘍は40.6%,進行癌は90.2%であった.表面型腫瘍は同一部位,同一の大きさで比較しても,隆起型腫瘍に比し便潜血検査の陽性率が有意に低かった.各肉眼型病変を部位別にみると10mmを越えるものが10mm以下のものより有意に高い陽性率であった.腺腫と粘膜内癌は粘膜下層癌に比し便潜血検査の感度が低かった.進行癌を除いた対象を用いて多要因を多変量解析したところ隆起型腫瘍,sm癌,病変の多発の3要因が有意の影響要因であった.進行癌を加えた全対象の多変量解析では進行癌,大きさ,多発の3要因が有意かつ独立の要因であった.以上より,大腸腫瘍性病変の便潜血検査の陽性率が高くなる要因は(1)表面型でない,(2)深達度が深い,(3)病変が大きい,(4)病変の多発であると考えられた.
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