Abstract

当科の1次検診の特徴はリアルタイム超音波検査を用いたWhole Breast Scanning (以下, WBSと略) を全員に施行することにある。現在までに23,235名 (初回受診13,753名) の受診者全員にWBSを施行し, さらに8,540名にMMGをオプションとして追加した。その結果, 59名の乳癌が発見されたが, 発見率は総受診者で0.25% (初回受診0.30%, 繰返し受診0.18%) と高率であった。非触知乳癌は29例 (49%) であり, これが発見率の向上に寄与した。非触知乳癌のうち22例はWBSで発見され, 7例はMMGの石灰化像で発見された。WBS発見例は16例が浸潤癌, 6例が乳管内癌 (DCIS) であり, MMG発見例は1例が浸潤癌, 6例がDCISであった。微小な浸潤癌を早期に発見するほうがDCISの発見よりも有意義であり, この点からもWBSの有用性が認められた。非触知乳癌の超音波所見は豹紋型, 染みだし型, 類脂肪型, 類嚢胞型など, 乳癌に特徴的とされる所見を有さないものが多く含まれていた。非触知乳癌の診断には超音波所見のみでは困難であり, 超音波ガイド穿刺吸引細胞診の積極的な活用が必要である。わが国の超音波検査は, 技術的水準や装置の普及度の面からは世界をリードしており, それらを活かして新しい検診システムを構築することも可能と考える。Whole Breast Scanningを用いる検診は大きな可能性があり, MMGを用いる検診以上の効果が期待できると考える。

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