Abstract
高性品種と矮性品種のヒマワリ(Helianthus annuus)を播種して12日目に芽生えの草丈を比較すると, 矮性品種「小夏」の草丈は高性品種「かがやき」の草丈の約20%しかなかった。また, 矮性品種の播種後5日目の芽生えに1.0×10–4 MのGA3溶液を投与すると, 播種後12日目(投与後7日目)には, 草丈が対照の2倍以上となった。この間の平均伸長速度は, 7.6 mm/日であり, 無処理の高性品種の平均伸長速度8.0 mm/日とほぼ同じ値となった。すなわち, 矮性品種の芽生えは, 投与したジベレリンに応答し, 高性品種の伸長成長速度まで回復した。これらの結果に基づき, 高性品種と矮性品種の芽生えにジベレリンを投与し, 節間の伸長を1週間にわたり測定する生徒実験を行なった。ワークシートを用いて, 生徒たちに草丈の変化のグラフを作成させた。さらに, 草丈伸長の差異を品種や処理区の間で比較し, 草丈の違いとジベレンとの関係を考えさせた。この実践の前後に学習の理解を評価したところ, 生徒たちは品種の違いとジベレリンとの関係に関する問いに対して, 正答を選択する割合が57%から86%へと, 有意に上昇した。アンケートでは95%の生徒が, 植物の成長の仕組みに興味を持てたと回答した。また, 品種間の草丈の違いとジベレリンの関係を深く調べる方法を問うと, ジベレリン量の測定や遺伝子の操作をあげた生徒が見られ, 多くの生徒が品種別にジベレリンの生産量を測定することを考えたり, 一部にはその原因となる遺伝子について考えたりするようになった。
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