Abstract
内陸大地震の発生過程を理解するためには,外力としてのプレート間の相互作用による応力蓄積過程と,島弧内で応力を開放する内的な非弾性変形と断層成長過程を解明する必要がある.内的な非弾性変形と断層運動は,島弧地殻・最上部マントルの不均質なレオロジー構造に支配される.本稿では,内陸地震発生解明に向けた,不均質なレオロジー構造を考慮した東北日本および中越地域における変形と断層形成過程のモデル化を紹介する.脊梁山脈周辺では地温勾配が高く,その領域の地殻深部で非線形流動による短縮変形が生じ,それにより上部地殻で断層が形成される.他方,日本海拡大時に背弧で地溝帯形成に伴って生成された正断層が,短縮変形場の中で,逆断層として再活動することが考えられており,中越地域においては,埋没した地溝や基盤内の摩擦強度の小さな領域を考慮することで最近発生した大地震の断層成長過程を再現できる.
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