Abstract
1996年から産業技術総合研究所地質調査総合センター(旧地質調査所)においてAOA社製のTurbo Rogue受信機とチョークリングアンテナからなるGPS連続観測を開始した.1999年からはそれまでの14局から5局に減らすとともに,GPSデータの定常解析に新たな解析手法を導入したが,観測局の座標値の再現性は,旧来のものに比べて変わらなかった.周囲にある,国土地理院のGPS連続観測システム(GEONET)の観測局と比較すると,座標変動の定常的な変動に大きな差は見られないが,座標値の再現性には劣り,かつGEONETには顕著でない半年周期の変動が見られる観測局があることが分かった.解析で使用される一日当たりの位相観測データ(エポック)数を調べたところ,半年周期で顕著に増減していることが分かった.いくつかのIGS(International GPS Service:国際GPS事業)局の解析の結果,カリフォルニアにあるTurbo Rogue受信機でも同様な傾向が見られるが,すぐ近傍のAshtech社製受信機の局には見られないことが分かった.また,グローバルな電離層総数(TEC)の最大値と比較したところ,両者に強い相関があることが分かった.このことから,半年周期の原因として,Turbo Rogue受信機に固有に生じる,電離層活動の活発化に伴う受信信号の品質低下の可能性が考えられる.
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