Abstract
トラフクの産卵については従来まったく知られていなかった.われわれは, 1960年および1961年の4-5月,瀬戸内海中央部において,本種の産卵に関する研究を行ない,次の結果をえた. 1) 備讃瀬戸におけるトラフグ漁場は,水深20m以上の比較的潮流の早い場所IL 局在している.漁期は4月中旬-5月中旬であり,産卵群を漁獲の対象としている.従って,これら漁場は同時にトラフグの産卵場である. 2) 産卵群の形態的特徴を明らかにした.タイ縛網に混獲される産卵群の性比は,雄3:雌1の割合であった.全長平均値閣の雌雄差は認められなかったが,体重平均値聞にみられる両者の差は極めて有意であり,雌が大きい. 3) 卵巣内における卵の発達は,一様に進行する.とのζ とから,放卵は一回あるいはきわめて短期間に完了するものと推定される. 4) 字卵数(N) と全長(L,mm) および体重(W, g) との関係は,それぞれ次の指数式で表わすことができる。 N=0.0000312・L3.862; N =0.0120W1.161. 5) トラフグ漁場の底質中より,天然に産着された多量のトラフグ卵の採集に成功し,産卵場を確認することができた. 6) 産着卵数と底質の粒子組成との聞にみられる関係から,産卵床の特徴を明らかにすることができた.卵の最も多く見出された場所は,径2-4mmの粒子の卓越する(重量組成)場所であった.底質が細砂,粗様よりなる場所からは,殆んどあるいは全く産着卵は採集できなかった.
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More From: Journal of the Faculty of Fisheries and Animal Husbandry,Hiroshima University
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