Abstract

早期前立腺癌に対する前立腺全摘除術の治療成績を集計し,今後の課題をあきらかにする目的で症例の解析を行なった。2001年1月~2006年12月までに当院で前立腺全摘除術を施行した早期前立腺癌63例を検討対象とした。年齢は52~79歳 (平均67.5歳,中央値68歳),治療前PSAは3.5~37.7ng/ml (平均12.2ng/ml,中央値8.8ng/ml) であった。臨床病期T1c: 21例,T2a: 29例,T2b: 13例であった。手術方法は閉鎖リンパ節郭清と恥骨後式前立腺全摘除術を行なった。手術時間は194~340分 (平均261分,中央値245分),出血量は135~3,500ml (平均1,123ml,中央値900ml) で自己血以外に輸血を要した例は11例 (17.5%) であった。摘出標本の病理組織学的検索の結果,Gleasonスコアは6以下: 32例,7: 25例,8以上: 6例であり,pT2a: 31例,pT2b: 4例,pT3: 28例,pN1: 2例であり,Organ confinded disease (以下OCD) は35例 (55.6%) であった。早期の合併症として直腸損傷2例,創部感染10例,精巣上体炎2例を認め,晩期合併症として吻合部狭窄2例が認められた。術後3か月の腹圧性尿失禁 (1日パッド2枚以上) は15例 (23.8%) であった。両側,もしくは片側の神経温存を行なった症例は28例でそのうちPDE5阻害剤を用いて勃起が可能であった症例は6例であった。PSA再発が12例に認められ内分泌療法が追加された。PSA再発に関与する因子としてOCDであるかどうかは有意な因子であった。

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