Abstract

八重山諸島西表島において,カンムリワシSpilornis cheela perplexusのロードセンサスを行い,出現個体数に対する時間帯や気象条件の影響を調べた.出現個体数は朝に最も多く,次いで夕に多かった.どちらの時間帯も,出現個体数は,風速に対して負の相関がみられたが,湿度および気温に関連は認められなかった.カンムリワシが止まり木で索餌する際の体の角度は,風速の増加に伴って有意に前傾姿勢になった.夜行性の両生類や爬虫類を主要な餌とするカンムリワシにとって,朝や夕はそれらの捕獲の可能性が高まるものと考えられる.一方,待ち伏せ採餌者である本種にとって,風はエネルギーの支出を生じさせるため,出現個体数に負の影響を与えるものと推察された.本種の個体数動態を把握するためのロードセンサスの結果を解析するうえで,時間や風速は考慮すべきであるといえる.

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