Abstract
メニエール病患者20名を対象として, 等速視運動刺激の重心動揺におよぼす影響について. 小型コンピュータを使用して分析し, 次の成績を得た.1 重心動揺軌跡メニエール病患者の視運動刺激による軌跡型として3型が得られた. すなわち求心型. 左右動揺型および前後動揺型である. 両側メニエール病は前後動揺型を示した.2 重心動揺軌跡距離2分間起立時の重心動揺軌跡距離は, 視運動刺激の負荷により増大するが. 視運動刺激の速度との関係は, 前後動揺型を除いて. やや不規則であった.3 重心動揺のY軸・X軸成分比求心型および左右動揺型では, 水平方向刺激で1.0より小さな値を示し, 垂直方向刺激で1.0より大きな値を示したが, 前後動揺型では水平. 垂直方向刺激共にこの値の増大をみた.4 重心位置の変動重心位置の変動様式は, 軌跡型によって大きな差を示し, 正常者にみられる標準2相性移動を示すものは少なかった.5 重心動揺周波数重心動揺周波数スペクトルは, 視運動揺激によって1Hz以下で主要な変動を示した. てれを1Hz以下の平均周波数として表示すると. X軸成分では求心型で増大, 左右動揺型で減少を示し, 前後動揺型で無変動であった. Y軸成分では求心型で垂直方向刺激で増大, 左右動揺型で左刺激で減少, また前後動揺型で全方向刺激に対して減少傾向を示した.
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