Abstract
ソルガムを窒素施用量と土壌水分含量ならびに日射量と土壌水分含量を複合的に変えた育苗箱条件下で栽培し, 土壌水分に対するソルガムの初期生育反応に及ぼす窒素施用量と日射量の影響について調査した.ソルガムの生育に対して基本的に土壌水分含量は生長促進作用としての線形要因的性格と阻害作用としての逆数要因的性格とを併せ持つ両性要因として作用するが, 最適土壌水分含量未満の範囲においては土壌水分の過剰による生育抑制項を欠いた逆数式で対応できた.窒素施用量は低土壌水分条件下では両性要因として作用したが土壌水分含量の増大に伴って逆数要因的特性が不明確となった.これらの関係は, 1/〓W=A/(f-f0)+B(g+g0)/(f-f0)+C/[(f-f0)(g+g0)]+D/(g+g0)+Eで近似できた.ここで, 〓W, fおよびgはそれぞれ全乾物増加量, 土壌水分含量, 窒素施用量, f0とg0は非有効土壌水分含量の上限値と土壌および種子からの窒素持ち込み量, またA, B, C, DとEは係数である.日射量は生育量に対して線形要因として作用し, 土壌水分含量と日射量を変えた複合条件下におけるソルガムの生育量は, 1/〓W=A/(S-S0)+B/(f-f0)+C(f-f0)+Dで近似できた.ここで, SとS0は日射量と日補償点である.以上の結果は, 日射量と土壌水分含量の影響はそれぞれ単独効果の和として表せるのに対して, 窒素施用量と土壌水分含量の複合条件下では両要因の交互作用効果が無視できないことを示している。また, 蒸散効率に対する土壌水分含量, 窒素施用量および日射量の影響は大きくないと考えられた.
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