Abstract

性成熟途上にある43日齢,体重約100gの雄ラットの第三脳室に400μgの6-hydroxydopamine(6-OHDA)を注入して,64日齢および76日齢で解剖し,精巣ならびに副生殖器の重量を計測し,次の結果を得た。1) 64日齢では,6-OHDA投与群の体重,精巣,精管,精管腺,精嚢,凝固腺,前立腺腹葉,包皮腺,陰茎の重量は偽手術対照群のそれよりも軽かった。2) 6-OHDA投与群の64日齢における精嚢,凝固腺,前立腺腹葉重量の比体重値は,偽手術対照群のそれよりもそれぞれ低かった。3) 76日齢では,6-OHDA投与群の精巣ならびに副生殖器の発育はほとんど正常で,逆にその比体重値は,無処置対照群のそれを上回るものがいくつかあった。4) 以上の成績から,6-OHDAによりカテコールアミン作動性ニューロンの機能を抑制すると,性腺の発育に悪影響を招くことを認めた。しかしこの影響は,一般に6-OHDAの効果は長期間継続するといわれているにもかかわらず,処置後1ヵ月にまったく消失したことが注目された。

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