Abstract
ふりまぜ反応器を用い,エタノール溶媒中でアルミナ付き白金触媒によるニトロベンゼンの水素化反応速度を測定し,物質移動と触媒表面反応との関連についての基礎的検討を行なった。触媒は市販の多孔性アルミナに白金をf=0.0005~0.010g/gの範囲で担持したもので,100メッシュ程度の粒状である。水素の拡散移動を気一液境膜,液一固体外表面境膜,触媒粒内の3段階において考え,それに表面反応過程を考慮した一般理論式に基づいて検討した。触媒量あるいはfを変えて実験を行ない,実験結果はこの理論式によく一致することを確かめた。また,表面反応は触媒表面の水素濃度に関して一次であることを明らかにした。一次反応の場合の球形粒内拡散の取り扱いによりfの異なる触媒に応じて表面有効係数ηおよびThieleモジュラスの値をそれぞれ0.48~0.13および5~23と評価しえた。fの増加にともなう白金の比活性の見かけ上の減少はηの減少に起因することを明らかにした。直径が0.015cmほどの小さい触媒粒がこのようなη値をとるのは液相における粒内拡散の特徴を示すものである。スラリー法で多孔性触媒を用いた場合には粒内拡散の影響を多少にかかわらず考慮する必要があることを強調した。また,理論式に基づく実験的プロットからは,各段階における速度定数あるいは抵抗値を合理的に定めえる。それらの値はたがいに大差がないために,触媒の使用量やfが変わると,総括反応速度におよぼす各段階の寄与の大きさが変化することを明らかにした。
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