Abstract

PGF2αを牛の子宮内に注入して,この処置が卵巣の活動状態ならびに性周期に及ぼす影響を検討して,次の成績を得た。1.排卵後5日ないし16日の黄体期にPGF2α 0.5mgあるいは1.0mg(蒸留水0.5mlに溶解)を連日2回,3mgあるいは4mg(蒸留水0.75mlに溶解)を1回,黄体の存在する卵巣と同側の子宮角に注入すると黄体は急激に退行して,これに伴って新たな卵胞の発育が起こり,処置後4日ないし6日に排卵することを認めた。2.排卵後2日ないし4日までの黄体初期の早い時期に同様の処置を行なうと,このような顕著な黄体の退行はみられなかった。排卵は処置後8日ないし22日におこって性周期は変化しないかあるいは若干短縮した。処置後の黄体は,正常性周期におけるそれとほぼ同じ消長型を示すものもあったが,大多数は一時萎縮するが再び発育を開始して正常性周期とほぼ同期間存続するもの,発育が一時停滞あるいは継続した後に早期に退行するもの,一時萎縮して再び発育を開始するか結局早期に退行するものなどの変化型を示した。3.黄体の存在する卵巣と反対側の子宮角に蒸留水0.5mlに溶解したPGF2α6mgを注入すると,処置後平均6.0日に排卵したが,6mg,8mgおよび10mgを5mlの生理食塩液に溶解して注入すると,平均それぞれ4.3日,4.0日および4.3日後に排卵した。4.以上の成績から,牛において排卵後5日ないし16日の黄体期に黄体の存在する卵巣と同側の子宮角に少量のPGF2αを1回注入することによって,性周期を同調しうる可能性を認めた。

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