Abstract

要旨 48歳の男性。突然の上腹部痛を主訴に救急要請,搬送中に心肺停止となった。急性心筋梗塞による心肺停止を疑い,venoarterial extracorporeal membrane oxygenation(VA–ECMO)を導入し心拍再開した。CT検査にて右総腸骨動脈瘤破裂と診断し,VA–ECMO下でendovascular aortic repair (EVAR)を施行した。動脈瘤の止血は得られたが,腹部膨満を認め低血圧が遷延した。腹部コンパートメント症候群と診断,緊急開腹手術を施行し,活動性出血を伴わない小腸間膜裂創を認め,動脈瘤および小腸間膜裂創を挟むようにパッキングガーゼを留置,open abdominal management(OAM)を施行した。しかし,術後に循環動態が不安定なため再手術を施行すると,小腸間膜裂創より動脈性出血を認め,結紮止血し再度OAMとした。第2病日にVA–ECMOから離脱,第4病日に閉腹術を施行し,第41病日に独歩退院した。Extracorporeal cardio pulmonary resuscitation後に判明した動脈瘤破裂に対して,EVARで動脈瘤の止血が得られても,破裂瘤に起因する血腫による出血性臓器損傷などにより腹部コンパートメント症候群を来す可能性があるため,超音波検査を繰り返すなど,腹腔内出血に留意し診療を継続する必要がある。

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