Abstract
国際陸上科学掘削計画のもとオマーンオフィオライト掘削が2016-2018年に実施された.日本の研究者チームが主導して,1億年以上前の海洋底を形成していた海洋地殻・マントル境界を貫く掘削を進めた.その結果,ハンレイ岩層(海洋地殻最下部)からハルツバージャイト層(マントル最上部)へ至る連続コア試料の採取に成功し,地殻・マントル境界部の新鮮なコア試料(左)を入手した.肉眼でも確認できる光沢ある粒子の多くは,もともと中央海嶺下でカンラン石だった結晶が,二次的変質により蛇紋石化したものである.右:写真中央の掘削装置を現地にもち込み,最大で400 m長のコア試料を2本の掘削孔から採取した.また,掘削孔内の物性測定のために,2か所のロータリー掘削も行った.採取したコア試料には,海洋地殻最下部を構成していたハンレイ岩層からモホ遷移帯を貫き,マントル最上部を構成していたハルツバージャイト層が含まれる.今回の過去の地殻・マントル境界を貫く掘削は,現在進めている海洋底でのマントル掘削を目指す上での重要なマイルストーンとなった.
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