Abstract

広島方式家禽人工授精技術の利用価値を試験するために白レグ♂×ニホンキジ♀の属問雑種作出を試みた.この報告は予報的のものであるが次のように要約される. 1. 広島方式授精法は次の3点から成る. (1) 精液採取に当つては創案した鳥類保定器を利用して雄鶏の腹部マッサージを行った. (2) 原精液は諺透圧を調節した卵ク液で1: 4の割合で稀釈した. (3) 精液は子宮内に注入した. 2. 用いた卵ク液の成分は次の通りである. 6.5%Na3C6Hs07・2Hp液1容量+9.0%ブドウ糖液1容量+鶏卵黄2容量. 3. キジ♀は一回授精を行った翌々日一卵を産したのみで,その後産卵を停止したが, この唯一の卵は受精し,順調に勝化育成することができ,現在完全に生長している. 4. 本実験はただ一回のみの施術であり,一卵を生産したのみであるに拘らず,これが完全に受精し且従来瞬化育成に困難視されていたニワトリ×キジ雑種が成鳥にまで生育したことは,応用した広島方式家禽人工授精術が鳥類の種間叉は属問雑種の作出に有力な手段であることを示すものである. 5. 乙の実験で作出した雑種は,交配した両親が,前研究者のものと因子型を異にしているために.,烏学文献上未知の形態を表わし,その頭部の装飾は寧ろスミレキジに酷似するものとなつて現われた.

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