A Case of Endoscopic Submucosal Dissection for Clinical T1b Rectal Cancer after Chemoradiotherapy

Abstract

症例は70歳男性．下部消化管内視鏡検査で直腸Rbに30mmの0-Is+IIa病変を認め，cT1bN0M0の直腸癌の診断となった．患者が手術を拒否したため，化学放射線療法（CRT）を施行して臨床的完全奏効の結果が得られればWatch and Waitを選択する方針とした．CRT終了後4週間で既知の腫瘍は25mmのLST-Gに変化していた．患者に再度根治切除を勧めるも希望されなかったため，CRT終了後8週間で内視鏡的粘膜下層剥離術（ESD）を施行する方針とした．3分割切除となったものの肉眼的には完全切除となった．病理結果はtub1，pTis（M），ly0，v0，HMX，VM0であった．2年1ヵ月経過した現在までに明らかな再発は認めていない．