Abstract

症例は75歳女性で,倦怠感を主訴に精査し,盲腸癌,切除不能多発肝転移,腹膜播種と診断された.コンパニオン遺伝子検査結果ではRAS変異型(KRAS G12V),BRAF V600E野生型,microsatellite stableで,FOLFOX+bevacizumab療法を導入した.がん遺伝子パネル検査を行ったところ,生殖細胞系列にBRCA1病的バリアントが検出され,遺伝性乳癌卵巣癌症候群と診断され,本人および家族に対して遺伝カウンセリングを行った.がん遺伝子パネル検査の普及により,期せずして生殖細胞系列に二次的所見が得られ,遺伝性疾患の診断に繋がる機会は増えると予測される.このことは説明同意文書には必ず記載があるものの,患者側のみならず医療者側も認識に乏しい場合は少なくなく,今一度,患者への十分な説明を肝に銘じ,遺伝カウンセリングの体制を整えることが極めて重要である.

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